火葬

火葬

告別式が終わるといよいよ出棺です。遺族や親族は故人と最後の対面となります。これが本当に故人の姿を見られる最後の機会となるわけですね。

葬儀社の係員が盆にのせて供花の一部を用意してきてくれます。ひとり一輪ずつ手に取り、遺体の周りを飾ってあげる、この“お別れ花”が済むと、いよいよ棺にふたをする瞬間、“釘打ちの儀式”を行います。これは故人と血縁の深い順に、石でひとり二回ずつ釘を打っていくものです。釘を打つ行為をすると、完全にふたが開けられなくなるという事実が迫ってくるためか、泣き叫んでしまう遺族の姿を何度も見たことがあります。この釘を打つための石は葬儀社で用意してくれるものですが、これから故人が渡る、三途の川の川原の石に見立てたところが由来なのだそうです。

釘打ちは儀式的なもので、最後はかなづちでちゃんと打ち込むため、力はいれなくて良いです。しかしこの釘打ちも最近ではやるところも減ったのだとか。釘打ちの儀式が済むと、遺族や親族の男性の手で棺を霊柩車に運び入れます。棺は通常、足の方を前に向けて運ぶのですが、関西の方では頭が前という場合もあるのだそうです。こんなところでも東西で分かれるなんておもしろいものですね。

また、家を出るときは縁側など、玄関以外の場所から出すというしきたりもありましたが、現在の日本の住宅事情では無理なこともありますね。火葬場へは、遺族、親族、故人と親しかった友人のみが同行し、喪主は位牌を、他の遺族が遺影を胸に抱いて車に乗ります。このとき必ず、死亡届を出したときに受け取った“火葬許可証”を忘れず持参します。火葬場へ着くと棺はかまどの前に安置されます。僧侶にあらかじめお願いして同行してもらっていればここで行う“納めの式”で、読経の中、棺の窓を通して故人に最後のお別れをして焼香をしたりします。

式のあと、ついにかまどへ納められます。喪主や遺族の手により火入れのボタンが押されることもあるようです。私は祖父の火葬の際、ボタンを押す役を担った母が泣き崩れた姿を今でも覚えています。いつか私にもその役目が回ってくるのだとそのとき感じました。辛い瞬間です。。火葬が済むまで控え室で待機し、その後、火葬後の遺骨を骨壷に納める“骨あげ”を行います。

一片の骨をふたり一組で両脇から挟んで拾い上げ骨壷へ入れるという作業を、喪主、遺族、親族、友人の順に一~二片ずつ拾ったら次の人に箸を渡していくのです。最後にのど仏の骨を故人と最も関係の深い人が拾って終了です。白木の箱に納められ白い布に包まれた骨壷を喪主が抱えて帰るのです。気を張っていた時間がようやく終わりを告げます。

■ 横浜、川崎の家族葬
       
       
       
       
       
       
       

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